PTA会長としてのスピーチ

関根さんと、ツッパリ。 - 3学期始めの定例運営委員会 PTA会長挨拶

2015年1月22日
PTA 定例運営員会にて

あっという間に「年末年始」が過ぎ、3学期もとっくに「日常」。日頃からPTA活動にご尽力をいただき、感謝しています。ありがとうございます。

今回は、子どもに対して「ありがとう」という言葉をかける大切さについて考えてみようと思います。例えば、手伝いをしてくれたとき。仕事に出る際に見送りに出てきたとき。道で拾った木の実を持ってきてくれたとき。 「ありがとう。お手伝いしてくれて嬉しいよ。」「お見送りありがとう。いってくるね。」 「きれいな木の実を見つけてきたんだね。持ってきてくれてありがとう。」 こういった感謝の言葉は、子どもの「人に優しくする心」を養います。そして「自らを肯定する力」を高めていきます。

自ら肯定する力を持たないと、どうなるか。それは、「人目(ひとめ)」「人からの評価」「評判」にぐわんぐわんと揺り動かされる人間になる恐れがあるということ。人からの評価にいちいち「反応」してしまうと、自ら課した大きなミッションを果たせない場合が多いのです。

例えば、「パイロットになりたい!」という夢を持ったとします。この夢は、何歳のときに持った夢でも構いません。ご自身の想像しやすい年齢でイメージしてみてください。 「私、パイロットになる!」人にそう言った際、『えー、お前には無理じゃね?だって○○だし、△△だし。』 などと言われて、いちいちそれに「反応」してしまっていたら。「そうか・・。無理か・・。」と、人からの評価だけで自らの未来を決めてしまう状況になりかねません。

ここで、自ら肯定する力を持つ人はどうなるか。「うん、確かに今のままでは無理かもしれないな。でも今日からあれをこうして、来年にあれをやって、3年後にここまで辿り着けば、どうにかなるな。よし、頑張るぜよ、自分。」となります。ちょっと極端ですが。

「ありがとう」という言葉に纏わる話を、もうひとつ。

関根正明さんという、ある学校の校長先生のお話。
昭和58年。関根さんは、ある中学校に赴任しました。開校から7年目のマンモス校で、「問題校」でした。 校舎はまだまだ新しいのに、校内はゴミだらけ。関根さんは、自ら率先して校内のゴミ拾いをしました。 学校がきれいになれば、生徒の心も徐々にきれいになっていくだろう、と。そんな思いがあったから。

ある日、関根さんがいつものようにゴミ拾いをしていると、当時で言う「ツッパリ」の生徒がやってきて、 「おう、校長。あそこにゴミが落ちてるぞ。」と言ってきました。関根さんが思わず、「ゴミが目についたなら、自分で拾いなさい。」と言うと、その「ツッパリ」は「うるせえ、俺が捨てたんじゃねえや。」と。 こんなことが幾度か続き、関根さんの気持ちは暗澹としてきました。そんなとき、関根さんに幸運な出会いがありました。この出会いの内容は割愛しますが、この後、関根さんの心境に大きな変化が訪れました。

夏休みが終わった、新学期。関根さんは、いつものようにゴミ拾いをしていました。すると、例の「ツッパリ」がまたやってきました。「おう、校長。ここにゴミが落ちてるじゃねえか。」関根さんは自然と、「ああ、そうか。ありがとう。」という言葉を返していました。「きたねえな、この学校は。」「そうだね。」

その後、この「ツッパリ」は、関根さんと一緒にゴミを拾い始めたのです。 後に、関根さんは振り返ります。自分自身が発した「ありがとう」という言葉が、彼を変えたのだろうと。それまで、親からも含め人から感謝などされたことのなかったその子が「ありがとう」と人から感謝されて心が動いたのだろう、と。それから、その学校は徐々に変わり始めました。「ありがとう」という言葉。いつもより意識して使うと、何か変化があるかもしれません。

今月も、寒さに負けない、温かい環境づくりができればと思っています。よろしくお願いいたします。

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この投稿の趣旨

10,000時間の法則、というものがあります。

ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、10,000時間以上の練習・努力・学習が必要というものです。世の中には、この法則について「十分条件」と「必要条件」がごっちゃになって語られている場面もあります。ただ、まぁ、堅いことを抜きにすれば、10,000時間もの時間を投資して何かをやってきたことは、自分自身の「自信」にしても良いもの、と思います。

私は「子育て」に関しては、優に10,000時間を超える試行錯誤をしていますが、その中の2,000時間ほどは、PTA会長として過ごした時間が含まれます。子どもたちの通う小学校で3年間、(東京23区の、とある)区全体の連合会長として1年間、活動をさせてもらいました。

歴史が長く、あまりにシステマティックに組織運営がされていたため、運営そのものはママさんたちにお任せして、私は私ができることをしよう。そう思って就任半年後、2学期から、少しずつメッセージを発するようになりました。

そのスピーチ録を、フリー素材として公開しようと思います(著作権は放棄していません)。そもそもは、親や先生に私の考え方や価値観をリーチさせ、そこから「かっこいい背中の大人」を更に増やすことができれば、私がビジネスを通じて実現したいこととも通じるな、と思って始めたことです。かっこいい背中の大人が増えれば、子どもたちは、未来や自分自身に対して、更に強い希望を持つことができます。そういう子どもが増えれば、世界はもっと、魅力的なものになります。

世の、仕事がありながらもPTA活動等、子どもたちの過ごす環境の改善に努めてくださっている方のお役に立てれば、と思います。役割上、スピーチや、意見表明、書面への寄稿をするシーンも多々あるかと思います。時に、それらを創作する時間がないときには、このまま文章をこのまま使っていただいても構いません。その際、特にクレジット表記等も要りません。笑

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