人材を強化したい

スッキリする方法


From:海東和貴
丸の内のオフィスより

言いたいことを言わないでいると、
喉の奥が締まったような肉体的な緊張と、
「言ってもどうせ通じないだろう」という思いから
精神的な緊張が生じます。

これらの緊張を解消するためには、
「言いたいことをしっかり言うと良い」とされます。

言いたいことを言えばスッキリする、と。

一方、言いたいことを言っても
スッキリしないこともあると思うんです。
お店でクレームを言い、物わかりの悪いスタッフと
受け答えをしているうちに、
スッキリどころか余計にイライラする、
ということもあると思うんです。

言いたいことを言って、
スッキリするときと、
スッキリしないときがある。

これはどういうことなのでしょうか。

ひとつ、持論があります。

その持論を話す前に、
その土台となる話をさせてください。


そもそも、コミュニケーションとは何なのか。


コミュニケーションとは
“エンコード(暗号化)”と“デコード(解読)”の繰り返しである、
と思っています。

ある人の脳に浮かんだイメージを、
「言葉」という形でエンコード(暗号化)して、
それが相手の耳や目に入り、デコード(解読)されます。

例えば、あなたの頭の中に
「青森県でとれる赤い果物」が浮かんだとして、
それをエンコード(暗号化)して
言葉で「りんご」と伝えたとき、
もしかしたら、相手の心の中には
「青りんご」とデコード(解読)されて、
青いりんごのイメージが心の中に
投影されているかもしれないわけです。

りんごひとつで、
これくらいの齟齬が生じるわけで、
それがもっと複雑なコミュニケーションになれば
エンコードとデコードのミスが、
多発していることが想像できます。

極端な話をしましょう。
ロシアのオイミャコンという町。
永続的な居住地(都市)における
世界最低気温を記録した場所です。
その記録された気温は、-71.2度。
マイナス、ななじゅういってんに度です。

これ、隣に座っている人に突然、
「あのね、オイミャコンって町がね。-71.2度なんだって。」
って言われたところで、
「へぇ・・・?そうですか。」と言われそうですよね。

でも、それを伝えた自分は
「なんだ、せっかく凄いことを伝えたのに、
淡泊な反応をしちゃって」と、
思うかもしれないんです。

しかしながら、これは仕方がないことです。
自分の心に浮かんだ情景を、
正確に相手の心に投影できるように
伝えられなかっただけの話。

伝える側も、受け取る側も、コミュニケーションは
エンコードとデコードの繰り返しであり、
齟齬は常に発生しているのだ、という前提事項に経てば、
「相手の人格そのもの」を否定する機会は減るのでは、
と考えています。

伝える側は、自分の心のスクリーンに映ったものを、
いかに相手に正確に伝えるか。

受け取る側は、相手の心のスクリーンに映ったものを、
いかに正確に受け取るか。

ここに、相手への敬意を持って
きちんと取り組めば、
より豊かな人間関係を構築できると思っています。


さて、ここまでが前提事項です。
言いたいことを言って、
スッキリするときと、スッキリしないときの
違いは何なのか、持論を述べます。


例えば、ある人がある場所で、
不適切な発言や行動をしたとします。
あなたは「なんであんなことをするのか?」と
苛立ちを感じます。
苛立ちの原因は「?(はてな)」です。
あなたの心の中に「?」がひとつ、蓄積されます。

また同じ人。
別の場所で、またもや不適切な発言や行動をしたとします。
あなたは「なんであんなことをするのか?」と
再び苛立ちを感じます。
あなたの心の中に「?」がまたひとつ、蓄積されます。


こうして「?」が蓄積されると、
あなたの気持ちはモヤモヤします。
言いたいことを言いたくなります。
ここで、言いたいことを言ったとして、
そのモヤモヤがスッキリするのか、
新たなイライラに発展するかの
分かれ道はどこにあるのでしょう。

答えは、その「言いたいことを言う」のコミュニケーションが
「?」を解消するためのものになっているかどうかです。

どういう意図で、そういう行為をしたのか。
それを丁寧に紐解くコミュニケーションをすれば、
スッキリします。

「?」が残るものだったり、
「?」が余計に増える言い合いをすると、
最終的に「意味わかんねえ!」と捨て台詞を吐いて、
そのコミュニケーションが終了することになります。
全くスッキリしないはずです。

極端な例ですが、例えば飲み会の場で
いつも必ず最初に大皿から自分の料理を
取ってしまう人がいたとします。

あなたは「なんで先輩方の分を
取り分けたりしないのかな?」と
「?」を持って、モヤモヤしていたとしましょう。

あるとき、そのことを切り出しました。
「なんでいつも最初に取っちゃうの?」と。
相手は『いつもそうしてきたもので』と答えたとします。
あなたの中にはまだ「?」が残っています。

そこで話を止めれば「意味わかんねえ!」で
モヤモヤしたまま終わりです。

でも、更にその「?」を解消するための
コミュニケーションを進めるとします。
「なんでいつもそうしてきたの?」と訊き、
質問を重ねる中で、もしかしたら
『小さいときにさっさと食事をしないと親から殴られた』的な発言があったら、
「ああ、そうだったのか・・・」と「?」が解消される場合、
というのもあります。

必ずしも適切な例ではないですが、
「?」を丁寧に解消していくと、
どこかで納得するポイントが出てくると思うんです。

ただほとんどの場合、それをするには
多くの時間や労力がかかるために
「面倒くさくてやらない」ということになってしまいます。


世の中の全ての「?」を解消することは、
現実的ではありません。

時には「?」を持ったまま続けていかなくてはならない
人間関係もあるでしょう。

一方、どうしてもスッキリしたくて
誰かとコミュニケーションをするとき、
自分の目的は何で、
どんなゴールを設定すれば良いのかということは
意識した方が良いと思うのです。

そうすれば、「意味わかんねえ!」と
捨て台詞を吐くようなことはなく、
より生産的な建設的な時間に持っていくことができ、
結果としてスッキリすることができるのではないかな、
と思っています。


(私たちの仕事に求められることは、
 究極的に、“棚上げ力”です。
 価値観や方法として、
 経営者に役立つことを伝えて
 実践に繋げていただくことがゴールです。
 従って、私自身がこれをできているかどうかは、
 また別の話です。笑)

 - 海東

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経営参謀(顧問参謀)として、これまでに700の中小企業・法律事務所・税理士事務所・社会保険労務士事務所・司法書士事務所・学校法人などの経営を支援してきた、
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