生産性を上げたい

小平次は、なぜ、走るの?

芋洗坂にある大きな屋敷。
ひとりの男が飛び出してきた。
闇夜を走り抜け、本所を目指す。
本所は、今でいう墨田区。
人が歩いておよそ、2時間の道のりだ。

走る男は、小平次という。
彼はなぜ走るのか。

* * *

文章は私のものだが、この場面は、
宮部みゆきさん著『日暮らし』の一幕を
取り出したものです。

本所深川方の同心(警察のような存在*1)である
井筒平四郎が、とある事件を解決するために、
部下である小平次を走らせました。

彼が命じたことを、主に3つ。

・人をひとり、呼んでくること。
・とある劇団を呼び寄せること。
・炊き出しをし、彼らの食事の用意をさせること。

ひとりの思惑を実現するために、
実に多くの人が動き、それを成し遂げていきます。

断っておきますが、今回の話は
「チーム論」の話ではありません。

Aという人物が何かを成し遂げるために、
Bという人物にその要領を言葉で伝え、
Bが走ってそれをCに伝え、
BがDのところに向かっている間に、
今度はCがEのもとへ走って依頼をし、
Eが準備したものをFがAへ運び、、、。

と、かなり複雑な動線が描かれています。

ここでコミュニケーションのエラーがあると、
全てが「おじゃん」になる恐れがあります。

少し視点を変えます。

私が電池を求めているとしましょう。
何をするかと言えば、
iPhoneからAmazonアプリを開き、
検索してワンクリックすることになります。

これが電気信号として倉庫に送られ、
紙が出力され、ピッカーがその指示通りに電池を手に取り、
梱包ラインに乗せ、それが荷詰めされると
運送業者のトラックに乗り、
仕分けセンターを通り抜けた後に
地元の拠点から配達員によって私のもとに届きます。

ここに、ほぼ、
「コミュニケーションのエラー」は起こりません。

その理由は明確にひとつで
「仕組み化がなされているから」です。

クライアントのビジネスに関わると、
この記事の前半の「江戸時代」のような動線が
至るところに残っている場合があります。

仕組み化がなされていない。
結果、コミュニケーションのエラーが多発し、
何かしらの問題に繋がる。
そして、それが山積みになる。

ビジネスを、仕組み化。
仕組み化すれば、利幅が増します。

仕組み化の第一歩は、
「起こっていることを書き出す」ということ。

何度も書いたことがあるので、
耳馴染みのある方も多いかもしれませんが、
カレーのつくりかた。

業務フローにおいて「カレーをつくる」
というタスクがある場合。
「コミュニケーションのエラー」リスクが、
かなり高い割合で残っています。

それを、ここまで因数分解するとどうでしょう。

・材料を買う
・材料を切る
・ご飯を炊く
・材料を炒める
・たまねぎの水分が充分に出るまで炒める
・ルーを入れる
・盛りつける

雑ですが、これだけでも
「コミュニケーションのエラー」は
減らせるような感覚がありませんか??

業務を仕組み化するということは、
レシピをつくるということ。

レシピをつくるということは、
コミュニケーションのエラーを減らすということ。

コミュニケーションのエラーが減ると、
再現性が高まり、
誰がいつやっても同じような結果が得られるようになる、
ということ。

ビジネスの、レシピをつくろう。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
*1
江戸幕府の下級役人。
諸奉行所司代城代大番頭書院番頭などに属し,
与力の下にあって,庶務警察のことなどにあたった。
町奉行の下で江戸市中の警察事務にあたった町方同心が有名。

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