PTA会長としてのスピーチ

人生はマッチ箱 - 2学期のとある定例運営委員会 PTA会長挨拶

2015年11月10日
PTA 定例運営員会にて

いつもPTA活動にご尽力をいただきありがとうございます。2学期も既に半ばを越えましたが、活動が集中する時期がまだまだ続きます。ご尽力いただきつつ、体調などご自愛いただければと思っています。

今日の挨拶は、ひとつのフレーズから始めたいと思います。

“人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。”

かつて読んだ本に、線を引いてあった箇所です。芥川龍之介さんの『侏儒の言葉』という本。この本に限らず、本の中には、結晶化された言葉が溢れています。

例えば、重松 清さんの『流星ワゴン』。
“泣けばいい。悲しいんだと伝えてくれればいい。 親にとってなによりもつらいのは、子どもが悲しんでいることではなく、 子どもが悲しみを自分一人の小さな胸に抱え込んでいることなのだと、僕はやり直しの現実で知った。”

本に引いた線は、自身の心にとっての「フック」のような存在だと思っています。引いた場所の言葉をそのまま覚えるのではなく、後から「あ、そういえば、あの本にこういう表現があったな。どこだっけな。」となったときに、思い出したり、見つけたりするための引き出しの取っ手となるような存在です。フックが多くても人生の足枷(あしかせ)にはなりませんが、フックが多ければ多いほど、その人の人生は彩り多いものになるはずです。

チープな言葉ですが、本は、人生を豊かにします。それはもう、明確に。加えて、本って「投資」に対しての「リターン」がすさまじいと思っています。投下した時間と購入費用を天秤の片側に乗せて、もう片側に「その本から得たもの」を乗せたら、もの凄い勢いで後者の側が落っこちると思うんです。要は、それだけ重いということ。

アメリカの大統領だったジョン・F・ケネディさんが日本人記者団と会見した際に「あなたが最も尊敬する日本人は誰ですか?」と質問されたことがありました。そのとき、ケネディさんは即座に「ウエスギヨウザンです」と答えたと言われています。残念ながら、日本人記者団側がウエスギヨウザンを知らず「誰だ?」となってしまったようですが、上杉鷹山とは江戸時代中期の大名で、出羽国米沢藩の第9代藩主です。彼の生涯を描いた小説、童門冬二さん著『小説・上杉鷹山』を読みましたが、それはもう、線を引くべき箇所がたくさんありました。得るものが多く、非常に重い本でした。

中でも、今日ここに書くとしたら、
“改革のいちばんのむずかしさは、古いことをこわすのでも、新しいことを始めるのでもなく、始めたことをいかに維持するかだ”
というもの。歴史あるこの◯◯小学校PTAという組織の中で、やりたいことや廃止したいこと、自分で思うものも人から提案を受けるものもあります。小さく始められることは始めたものもありますし、「継続性」という観点からなかなか踏み出せないものもあります。全てが順当に運んだとして、私の実質任期はあと1年ちょっと。足踏みしている時間は多くあるようにみえて、実際はそんなにありません。会員のより深い幸せのために、そして何より子どもたちのために何ができるのか、一層、思考を深めていきたいと考えているところです。

話をもとに戻します。本を読むとは、歴史に学ぶこと。人がこれまでに歩んできた道、そしてその中で得た叡智を、端的に纏めてあるのが本です。別に小説や新書だけが「本」ではありません。漫画、エッセイ、お笑いの脚本からも、叡智やひらめきやは得られます。どんなジャンルの本でもいい、子どもを本好きにしてあげることは、その子の人生に大きく影響すると感じています。

今月も子どもたちの豊かな生き方に貢献できれば、と考えています。
今月も、よろしくお願いいたします。

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この投稿の趣旨

10,000時間の法則、というものがあります。

ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、10,000時間以上の練習・努力・学習が必要というものです。世の中には、この法則について「十分条件」と「必要条件」がごっちゃになって語られている場面もあります。ただ、まぁ、堅いことを抜きにすれば、10,000時間もの時間を投資して何かをやってきたことは、自分自身の「自信」にしても良いもの、と思います。

私は「子育て」に関しては、優に10,000時間を超える試行錯誤をしていますが、その中の2,000時間ほどは、PTA会長として過ごした時間が含まれます。子どもたちの通う小学校で3年間、(東京23区の、とある)区全体の連合会長として1年間、活動をさせてもらいました。

歴史が長く、あまりにシステマティックに組織運営がされていたため、運営そのものはママさんたちにお任せして、私は私ができることをしよう。そう思って就任半年後、2学期から、少しずつメッセージを発するようになりました。

そのスピーチ録を、フリー素材として公開しようと思います(著作権は放棄していません)。そもそもは、親や先生に私の考え方や価値観をリーチさせ、そこから「かっこいい背中の大人」を更に増やすことができれば、私がビジネスを通じて実現したいこととも通じるな、と思って始めたことです。かっこいい背中の大人が増えれば、子どもたちは、未来や自分自身に対して、更に強い希望を持つことができます。そういう子どもが増えれば、世界はもっと、魅力的なものになります。

世の、仕事がありながらもPTA活動等、子どもたちの過ごす環境の改善に努めてくださっている方のお役に立てれば、と思います。役割上、スピーチや、意見表明、書面への寄稿をするシーンも多々あるかと思います。時に、それらを創作する時間がないときには、文章をこのまま使っていただいても構いません。その際、特にクレジット表記等も要りません。笑

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経営参謀(顧問参謀)として、これまでに700の中小企業・法律事務所・税理士事務所・社会保険労務士事務所・司法書士事務所・学校法人などの経営を支援してきた、
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